【専務のひとりごと vol.5】面白い品種名
皆さんが野菜や果物を召し上がる際に、「品種名」を意識されたことはあるでしょうか。
ブドウだったら「巨峰」「シャイン・マスカット」、ネギならば「九条ネギ」などは有名ですね。
私たち農業生産者は、種苗会社さんから種子のカタログをいただく機会が多いのですが、そのカタログをパラパラめくると、時に「面白い品種の名前」と出逢うことがあります。
例えば、品種名で面白いものの代表格が、メロンの「アンデスメロン」であります。
アンデスメロンの「アンデス」は、南アメリカのアンデス山脈とは全く関係なく、実は「“安心です”の略称である」、というお話は非常に有名ですね。ご存知の方も多いと思います。
ということで、今回は私の独断ですが、野菜・果物の「面白い品種名」をご紹介させていただければと思います。
ファイナルファンタジーの召喚キャラ?メチャ強そう!「ほうれん草」
住化農業資材さんの「ほうれん草」のラインナップは、とにかく強そうな名前が並びます。まるで、ファイナルファンタジーに出てきそうな感じです。
ほうれん草 「イフリート」「バハムート」「ミノタウルス」他(住化農業資材)
病気や暑さなどに強いということなのかもしれませんが、とにかく「強そう!」
食卓で召し上がる際には、「今日はイフリートを召喚したぜ!」などと、楽しんではいかがでしょうか。
複数野菜で大人気の品種名!「さつきみどり」
五月みどりさんは、日本を代表する歌手・女優の一人ですが、実は「さつきみどり」を冠した品種が複数存在します。
キュウリの「さつきみどり」 (サカタのタネ)
つるなしインゲンの「さつきみどり2号」 (タキイ種苗)
名前にある通り、緑豊かな性質を謳いたかったのでしょうか。
皆さま、おひまなら食べてね。
(五月みどりさんの代表歌「おひまなら来てね」を掛けてます。笑)
インパクト絶大!一度聞いたら忘れないトウガラシのビッグネーム
カタログをパラパラめくっていたら思わず「!」と読み込んでしまった品種がこちらです。
トウガラシの品種名ですが、サブタイトルが「インド人も納得の辛さ」とのこと。
トウガラシ 「インドジン・ウソツカナイ」 (トキタ種苗)
カレーの本場インドにて最も使われている品種だそうで、「インドの方も納得」ということですから、とても辛そうな品種ですよね。なお、生のままでもかじって食べられるそうです。
実際に作ってみて、味や香りを試してみたい品種名ですね。
以上、面白い品種名特集でした。
種苗会社さんは非常に苦労して品種を生み出していますから、その名前についても熟慮の上、命名したものと思われます。その結果として、親しみやすい名前で誕生し、結果、生産者や消費者に親しまれる品種となったならば、とても素晴らしいことですね。
食卓で野菜や果物を味わう際、少しでも品種の開発者や実際作っている生産者に想いを馳せながら、楽しんで生産物を味わっていただければ幸いに存じます。
(専務取締役 伊藤啓一 2024年11月6日)