『工場見学』の枠を飛び越えて。

こんにちは、こんばんは、おはようございます。未来戦略部・西古です。

少し久しぶりの執筆となります。

「舞台裏」を始めようと言い出しっぺの僕が他の業務に悩殺されてしばらく文章を書くことから逃げてしまっていました。

メンバーからのプレッシャーも感じつつ、またがんばって更新したいと思います。(こういう時って1+1以上の人間の営みが重要だと実感するよね。なんか前向きに一生懸命に取り組んでいる人がいると、自分も頑張ろうって思えるみたいな。)

さて、前置きが長くなりましたが、今回は3月17日(日)に行われた一般のお客様向けの工場見学ツアーのガイドをしてきたので、手応えとか、反省点とかを記録的に書きたいと思います。

レタス工場見学のご依頼

今回は美里グリーンベースも拠を置く、宮城県美里町の農業体験型宿泊施設『土田畑村』さんからお声掛けをいただき、1泊2日のツアーの最後の目的地として、レタス工場の案内をしてほしいと言うリクエストにお答えする形で実施しました。

ツアーは食と農を体験しながら地域の新たな魅力を発見いただける、というもの。餅つきやソーセージ作りなど、楽しそう!自分が参加したい!

ツアー参加者は、1才の赤ちゃんから80代のご夫婦まで文字通り老若男女で、県内の周辺地域からお越しの方が多かったようです。

人前が苦手なガイドさん

当日はツアーガイド的な役割で会社の紹介と工場の説明を担当しました。(というか事前のロジ調整から全部担当していました 笑)

舞台ファーム入社してから、イベント企画や司会をしたり、工場をご案内することが多くあります。ただ、自分はもともと大人数の前で司会をするとか、そういう類のことに結構苦手意識があります。

相手に伝わりやすいようなワードチョイスとかスピードとかを考えながら、アジャストするタイプの話し方をすることが多いので、たくさんの人の前だと「誰に向かって話せばいいんだろう。」とプチパニックに定期的に陥るのです。(今、うんうん共感してくれている人とめちゃ仲良くなれそうです。)

そんな人前苦手な僕が毎回ガイドするときには意識するポイントがあります。

それは、『合格最低点』を決めておくこと。

人が受身のコミュニケーションで受け取れる情報量は限られていると思う(少なくとも自分はじっと話を聞いているのがとても苦手)なので、たくさんの情報を詰め込んでも意外と話を聞いてなかったり、心に残らないだろうと勝手に決めつけています。

その上で、持ち帰って欲しい情報ワンメッセージだけ決める。

例えば今回のツアーでは、

『植物工場の野菜って、直感に反してめちゃくちゃおいしい!』

というメッセージだけ伝えられたら合格と設定しました。

本当は他にもたくさん伝えたい事はめちゃくちゃたくさんありますが、最低限これだけでも憶えて帰ってもらえたらOKだと思うと少しだけ気が楽になります。

特に今回のツアーには子供たちも多くいたので、今後人生で何度も口にするだろう工場野菜の味や特徴を正しく認識してもらいたいと思ったのです。

『植物工場』と聞くと、[工場]という響きが影響して、なんとなく無機質で鈍い光沢を放つ金属の機械が昼夜問わず植物を育てるようなイメージを持つ方も多そう。

ただ、美里グリーンベースを見に来ていただくと、その感覚が180度変わります。

どこまでも続く緑の大地に太陽が燦々と降り注ぐ栽培エリアの様子を見ると、健康的に野菜が育っているのを体感いただけるからです。

また工場内で生産しているので、品種改良をする上で最適な比較実験がしやすい環境なので、24時間365日センサーにてモニタリングされた環境データと最適なレタスの生育方法を常にアップデートし続けているので、畑で作る野菜のように美味しくて、栄養があって、しかも均一な規格で、異物混入も少ない。そんな野菜が作れる環境です。

工場内、めっちゃ綺麗で広いです。何回見ても慣れません。

合格最低点がクリアできたらあとは広報マンのいつものお仕事です。会社のミッション(存在理由)でもある『未来のおいしいを創る。』について話します。

「未来のおいしいってなんだろう?」

「今のおいしいを作るじゃだめなの?」

「メーカーなのに"作る"じゃなくて"創る"なの?」

自分で言うのも変ですが、このミッションはかなり深いです。(こう言ってしまうと浅そうに聞こえるけど)

日本で農家が減少して耕作放棄地が増えるなかで大規模に農産品を生産し続けられる会社は数えられるほどしかありません。

5年後・10年後とか目の前の未来でさらにこの状況が加速していくと言われています。

舞台ファームもその1社だとは思いますが、選定付加価値の付けづらい農作物で大所帯会社経営を行うためには安心・安全・安定は当たり前にクリアしつつ、大量に生産性が高く経費を抑えて生産を行う必要があります。

したがって、最新のテクノロジーを導入して、最高の生産効率と品質の野菜を1年間安定して作り続ける植物、工場のようなソリューションにたどり着きます。

なぜ、舞台ファームが大きな投資をしてまで、新たな挑戦に踏み出したのか?

それは、20年後、30年後、今の子供たちが大人になる頃にも、今と変わらない豊かな食文化が維持できるような、今よりももっと高機能な(健康な生命活動に役立つような)食べ物をつくる。その仕組みをつくる。

そのレールの上を走り始めていると、そんな会社が地元にあると知って欲しい気持ちがあります。

さっきは合格最低点の話を書きましたが、この辺まで熱弁し出すともう止まらない状況です。

まぁ、そんなこんなでいろいろ伝えたい事はあるのですが、百聞は一見にしかず、実際に巨大な工場でロボットが大量の野菜を育てている状況を見ると、簡単に「農業の未来」を感じてもらえます。

その点、工場を案内するという役割はそこまで重要じゃないようにも思います。

見学というか「体験」にしたい

今回の記事はゆるく書かせてもらったのですが、今後も工場を使った企画を社内プロジェクトにしてやらせてもらおうかと思っています。

今後の展望としては、植物工場を舞台にした食育などの教育系コンテンツやツアー客の受け入れ拡大、ゲームフィケーションを取り入れたアクティブな工場見学、地元の農産品や工芸品とコラボレーションしたマルシェなど工場のリソースを生かした新たな関わり方を通して、今日書いたようなメッセージを多くの方々に知ってもらえたらと思い、いろいろ画策しています。

友人で、前回のイベントを手伝ってもらった美里町の地域おこし協力隊の大村さん、スーパー保育士のじゅん先生や美里町の宝女子大生のおみさなどと一緒に一部会社と言う枠を飛び越えてしまうくらいの企画を作り上げられたら、これほどwin-winな事はありませんね。

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