【専務のひとりごと vol.1 】農業と日本人気質

「農業」は「世界で最も古い産業の一つ」であり、今から約1万年前に始まったと言われています(時期については諸説あり)。

この「農業の始まり」により、人類の生活スタイルは「狩猟採集生活」から「定住生活」へと大きく変化しました。結果として、急激に人口は増加し、あわせて支配階級が誕生するなど、社会構造が劇的に変化、複雑化していきました。

また、農業を行うための灌漑(※カンガイ:農地へ水を人工的に供給すること)技術を中心として、さまざまな技術も発展していきます。農作業管理や農作物交易の記録のためもあって、「文字」も発明されました。このころに発明された体系や仕組みやモノは、長い年月を経ても、今なお現代社会の基本となっていたりします。「農業」とは、私たち人類が、未来のために蒔いた、まさしく「希望の種」だったと言えます。

日本においては、縄文時代の終わり頃、大陸からの「稲」の伝来とともに「農業」が伝わることとなり、弥生時代には日本全国に広がっていったと言われております。その当時、青森の遺跡からも、米や籾などの「稲作の痕跡」が発見されていたとのことです。

歴史の教科書で何気なく読み飛ばしていた話ですが、実はこれ、「凄い事」です。熱帯性植物である「稲」を、北緯41度の寒冷な気候で育てるため、縄文時代・弥生時代の日本人は、尋常ではない努力のもと品種改良を重ねていた、と推測されるからです。

私たちが普段いただいているお米の半分は、「苦労の結晶」でできている、とも言えるでしょう。

 このように、何事にも粘り強く我慢強いと言われる「日本人気質」は、日本の厳しい自然や風土によって、そして何千年にも渡る農業への取り組みによって、鍛え上げられたものかもしれません。新米の季節となりましたが、先人の大きな努力と私たちにも脈々とつながる日本人気質に感謝し、山盛りのご飯を有難くいただきたいと思う、今日この頃です。

(専務取締役 伊藤啓一 2024年9月10日)

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